2023 年1月吉日
ほくとをジャズのまちに 「山寺でジャズ」活動10 周年
2014 年6 月1 日「山寺でジャズ」の初回コンサートの当日、聴衆が波を打つように
集まった。音楽イベントに全く縁がないような場所~山梨県の田舎町(北杜市武川町)
にある高龍寺に300 人超がジャズを楽しむという珍しい光景だ。
遡ること半年前に、小さなコンサートの企画案から話が始まった。発起人となったジャ
ズ好きの3 名はいずれもコンサートの主催・開催については全くの未経験者。企画を進
める中で話が大きく膨らんで、結果としては、一流のプロミュージシャンを招致して大
きな演奏会となり、上述のように盛会になった経緯がある。
初回コンサートの盛況ぶりに勢いを得て、発起人を含む数名で構成された実行委員会で
は山梨県北杜市でジャズを楽しむ機会を皆様に提供し続けたいとの決意を固めて、非営
利団体としてだが、「峡北の自然と文化を楽しむ会」と称する会を正式に発足した。
発展と継続の10 年間^^^^^
活動も2023 年で10 年の節目を迎えた。今年は5 月21 日(日)14 時から「第10
回 山寺でジャズ~ほくとのジャズ」が長坂コミュニティーステーションで行われる。
この10 年は山や谷がいくつもあった。最初の6 年間は3~4 週間前に満席御礼が出る
人気ぶりの大盛況で、その評判もあいまって徐々に日本ジャズ界を代表する超一流ミュ
ージシャンに出演してもらえるようになって行った。コンサートの回数も年に複数回に
増やしていった。会場では、音楽以外にも、地域の活動家グループ(婚活、農的生活、
介護など)のブースや飲食屋台も並ぶ等で充実を続けていった。そうして北杜市の人気
のイベントの一つに成長し、毎回楽しみにしているリピーターも多くなっていった。こ
の期間は幸いにも順調に発展していった。
コロナ禍での活動^^^^^
2020 年はコロナ禍で困難な時期に突入していった。毎年5 月の開催は内外から中止と
すべきとの声もあり、3 月末まで大いに悩んだ。しかし、ここで中止としてしまっては
「ほくとをジャズのまちに」というスローガンのもとに6 年間継続してきた活動も頓挫
してしまう。
熟考後の実行委員の総意は、コロナに対しては徹底して安全対策を講じて
日程をずらす事で実行するという方針だった。そして、半年後の10 月に、場所をお寺
の本堂内から大駐車場(約500 坪)に移し、野外コンサート会場の体裁を整えて実施
する事とした。他対策としては、① 入場者数の大幅減、② 全て前金制で当日の金銭授
受はなくし、③ 自宅でプリントしてもらったチケット(A4 サイズ)を車の窓越しに
見せるだけで人との接触も会話もなく会場に入場できる仕組み、④ 駐車場で下車した
段階で係員が全員を検温、⑤ マスクの無料配布など等、考えられる全ての対策を実行
に移した。結果、事故もなく盛会として閉演することができた。
そして翌年以降も状況
に応じた対策を取り、翌年も野外会場で、次の年は心配度合いもやや薄れてきたことも
あり北杜市管轄のコンサートホールで実施して、コロナ禍においても途絶えることなく、
安全に継続することができた。
多くの皆様からの応援・支援^^^^^
心強いのは、地元の多くのお店や企業も会の主旨と活動に賛同してくれて毎年応援金・
協賛金を供出していただいている事です。また、チケットの販売(委託形式)について
も快く引き受けてくれて店のお客様に勧めてくれるので集客に大いに助けになってお
り、毎回盛会となる大きな要素になっている事も間違いない。
公的機関の支援についても、北杜市からスポーツ文化・芸術振興基金の裁可を得て運営
資金の一部に当てられている。また、コロナ禍での3 年間は、文化庁から文化継続の主
旨で補助金を付保いただくことが出来た。これらは野外会場の設置・入場者制限下での
入場料不足・コロナ禍でのコスト増大などの補填に充てている。これらの補助金なくし
てはコロナ禍で毎年途切れず継続が出来ていなかった事実がある。文化庁長官の都倉俊
一氏は、「新型コロナウイルスの感染拡大でイベントや興行の自粛が続き、国内の文化芸
術活動はかなり疲弊しています。活動が停滞したままでは文化発展の芽がしぼむばかりか、
有力な人材も育ちません」と述べていますが、文化庁の決死とも言える努力・政策に改
めて敬意を表します。
より幅広い層に向けて、分野も広げて^^^^^
5 月のメインのコンサートに加えて、5 年前から毎年数回のコンサートも行なうようい
になった。2022 年11 月に行った「ジャズって楽しい(第3 回)」もその一つ。トッ
ププロではなく地元で活動する演奏家や高校・大学の音楽クラブに出演いただく事で安
価として、より多くの音楽ファンに楽しんでもらう主旨とした。演目も、皆様がどこか
で耳にした事のあるスタンダードジャズとした。感受性の強い若年層にも体験してもら
い(高校生以下は入場無料)、また、ジャズに親しみの薄い層も含めて、当日は約250
名の聴衆に楽しんでもらった。
また、「ホタルとジャズの夕べ」と称するコンサートについては、演奏の後は境内の池
の辺りでホタルを鑑賞するという文字通り「自然と文化を楽しむ」イベントも人気を得
ている。
2022 年からはジャズに加えて、フラメンコのトッププロによるライブも実施した。予
想を上回る200 名近い観客が楽しみ、多くの皆様が継続のリクエストをしてくれてい
る。今年も実施する予定とした。
今後もフラメンコを含めるがジャズを中心にイベントを継続開催してゆくが、「峡北の
自然と文化を楽しむ会」の名にある通り「自然」をテーマにしたイベント、音楽以外の
「文化」をテーマにするなども志向しながら、甲信地区の文化の発信基地の一つとして
充実を図ってゆきたいと考えている。そして北杜市と近郊が、多くの皆様が文化を楽し
める地域に発展してゆくことを心から願っており、そうなるとの信念で活動を続けてゆ
きます。
ーーー以下 参考
◉当イベントに出演したミュージシャン抜粋
伊藤君子vo 田中信正 p 浜田均 vib 坂井紅介 b 西直樹 p
橋本学 ds 古谷淳 p 佐藤達哉 as 吉田豊 b 高橋知己 ts
安ヵ川大樹 b 田中奈緒子 p 中島朱葉 as 佐々木朝美 vo
大口純一郎 p ジーンジャクソン ds 会田桃子 vl 岡部洋一 ds
など
◉今年予定されているコンサート
5 月21 日(日)「山寺でジャズ」10 周年記念コンサート
◉2021 年のコンサートの参考動画(Web マガジンに掲載された動画)
https://www.youtube.com/watch?v=D0vBwij7ASs
峡北の自然と文化を楽しむ会
代表 山崎秀夫